ポンポン山のヤマジノホトトギス

   2012.9.3(月)   訪問者  Sentlong

    今年のヤマジノホトトギスは例年に比べ1週間程早く開花しているようです。今から1週間ほどが見ごろではないかと思います。

    ユリ科ホトトギス(杜鵑草)属で特徴として山野の林下や林縁、崖や傾斜地などの、日当たりの弱いところに自生する。葉は互生し、楕円形で長く、葉脈は縦方向で、表面には毛が生える。花期は初夏から秋にかけてで、雌雄同花で上向きに咲き、花弁が 6枚で直径数cm程度のもので 2−4日程度咲くことが多い。ジョウロウホトトギス類は黄色く下方向に向く釣鐘型の花を 4−5日ほどつけるものが多い。

    本日撮った写真は
    
     

     

    セトウチホトトギス、ヤマジノホトトギス、ヤマホトトギスの花の比較

セトウチホトトギス

ヤマジノホトトギス

ヤマホトトギス

セトウチホトトギスの花 ヤマジノホトトギスの花 ヤマホトトギスの花
 花被片は水平に開き、下部に黄色の斑紋がある。また、花柱には斑点がある。  花被片は水平に開き、、花柱には斑点がない。  花被片は反り返り、花柱に斑点がある。
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余白
     

ホトトギスの種類

ホトトギス Tricyrtis hirta (Thunb.) Hook
代表種。草丈は 1m になり、花は葉腋に 1-3個ずつ付き、4日間咲く。花期は秋。関東新潟県以西に分布する。
シロホトトギス Tricyrtis hirta form. albescens (Makino) Hiyama
ホトトギスの花に斑点が入らない(真っ白に見える)変種。
ヤマホトトギス Tricyrtis macropoda Miq.
関東以西の太平洋側および長野県に分布し、草丈は 1m ほどになる。花は 2日間で、茎の先に花序を伸ばし、晩夏に咲く。花びらの折れたところに斑紋が入らず、花びらが反り返るところで判別できる。
ヤマジノホトトギス(山路杜鵑草) Tricyrtis affinis Makino
北海道から九州までに分布する。草丈は 1m 弱。花は 2日間で、初夏から秋にかけて咲く。葉腋に着く場合と、茎の先に花序を伸ばす場合がある。花びらの折れたところに紫色の斑紋が入ることで判別できる(他種は橙色)。
シロバナヤマジノホトトギス(白花山路杜鵑草) Tricyrtis affinis form. albida
ヤマジノホトトギスの花に斑点が入らない(真っ白に見える)変種。
セトウチホトトギス(瀬戸内杜鵑草) Tricyrtis setouchiensis Hr. Takahashi
ヤマホトトギスに似る。近畿から中国四国地方に分布する。
タマガワホトトギス(玉川杜鵑草) Tricyrtis latifolia Maxim.
最も冷涼な環境に適応する種で、北海道から九州にかけての冷温帯域に分布し、山の谷筋などの湿った場所に自生し、葉腋または花序く黄色に赤紫色の斑点が入った花を咲かせる。京都府井手町の玉川で見つかったためこの名が付けられた。
チャボホトトギス Tricyrits nana Yatabe
黄色く小さい花を付け、花は一日で終わる。
キバナノホトトギス(黄花杜鵑草) Tricyrtis flava Maxim.
宮崎県に自生し、ユリに似た黄色い花をつける。
絶滅危惧II類(VU)環境省レッドリスト
タカクマホトトギス(高隈杜鵑草) Tricyrtis ohsumiensis
鹿児島県大隅半島の固有種で、岩場に生育し、キバナノホトトギスに似た黄色い花をつける。生育環境破壊により絶滅が危惧されている。
準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト
サツマホトトギス var. masamunei (Makino) Masamune
イワホトトギス var. saxicola Honda

これらの種の中には地域固有種も多いが、それらの多くは園芸用の盗掘が後を絶たず、また鉱物採取やダム建設、道路敷設等の開発行為に晒され、絶滅が危惧されている