300名山紀行
2009年9月22日 山行者 5人
秘境秋山郷の温泉の一つ、屋敷温泉から登山道は始まっている。全山ヤセ尾根で、村を覆う怪鳥のような岩山と言う。南北に連なる山脈の片側東面は総てガレ落ち、1000mほども一気に川にナダレ落ちている。道路から見上げると凄まじい程の崩れようである。
道路沿い登山口の標識から車道を少し登ると、大きな堰堤が出来上がっている広場に出て来る。さらにその上にも工事がすすめられているようで、必死に崩れを食い止めようとする努力は認められるが、大きな自然にたいしては、むなしい抵抗のように思われる。
その堰堤の上から登山道は始まっている。斜度は相当にきつく、胸をつくような急登で、両手を使いながら登って行く。本来の登山道では無く、工事用の仮の
道のようである。30分くらい登ると、又広場がありここにも堰堤が出来上がっている。高い位置、狭い急斜面の上に相当に大きな堰堤である。車道などは無く、その工事の苦労が偲ばれる。シソ科のヒキオコシやヤマハッカの花があった。
ここからは本来の登山道になり、少しは緩くなったが一本調子の登りになっている。ブナ林が広がり気持ちのよい落ち着いた道である。心地良い汗が流れる。2時間ほどの登りでやっと稜線に出てくる。屋敷山である。
眺めが良い。川を挟んで対岸には苗場山・佐武流山・白砂山がすぐ目の前に広がっている。片側の切れ落ちた狭い稜線は、足下の車道まで一気に崩れ落ちている。ウメバチソウがまだ白い花を咲かせている。ピンク色のミヤマママコナが群生している。マツムシソウも所々見られる。
花を愛でながらの稜線歩きを2時間ほどで、山頂への登りにかかる。その斜面にもお花畑があった。一面小さなコゴメグサが咲いている。花の図鑑片手に登山者が2人いる。和山から登って来ている。グループを二つに分けて、両方から登って来て合流するそう。そうかそのような登り方もあったかと思う。和山からの登りはハシゴや鎖のある岩場、次回には登って見たいと思う。
山頂は稜線から少し外れて登って行く。こんもりとした小山の中に2等三角点があった。低木に囲まれ展望は全く無い。
下山は同じ道を下って行く。急坂を滑るように降りて行き、3時間ほどで降り着く。そのまま屋敷温泉に車で向かう
一軒宿の秀清館の前庭は大きな池となっていて、竹囲いされている。その中が温泉であった。乳白色の湯は底が見えずヌルヌルとしている。陽の高い昼間の露天風呂には他に客も居ず、ヌルメの湯にゆったりとくつろぐ。
屋敷(5:30)−屋敷山(7:00)−鳥甲山(9:20)−屋敷(12:10)