三 嶺 1893m  

 2003年11月2日〜3日          

 

 四国の山はほとんど行った事がないので、バスハイクに参加して見る。四国の名山、日本200名山に入っている花の百名山で、コメツツジの群落が素晴らしいと言う。今回は高知側から登り徳島側に下る縦走コースで、バスハイクならではの凝った企画である。

 高槻を7時に出発したバスは瀬戸大橋を通り、高知の南国市から物部村に入る。さらに西熊渓谷を目指してバスがやっと通れるほどの細い道を、軒先をかすめながら2時間近くもさかのぼって行ってやっと登山口に到着出来たのは丁度15時であった。8時間もの長旅に少し疲れた。折から紅葉見物の車が多数入っていてすれ違いに苦労する。

 泊まった八丁小屋は囲炉裏のある立派な小屋であった。今夜は30人近く泊まっていてほぼ満員である。ガイド付きで大阪から来ている6人のパーティがいる。200名山を目指すグループである。

 夜半から降り出した雨は朝になっても止まず、シトシトと降り続いている。明るくなるのを待って6:00に出発する。紅葉は今が盛りなのであろうが、雨に煙り、くすんでいて色が良くない。

 稜線にある「お亀岩避難小屋」も大きな立派な小屋であった。稜線は笹原の広がる高原で、コメツツジの群落が一面に続いている。花の咲く頃が素晴らしいことであろうと思われる。雨の中風も少し出て来て名物の展望も期待出来ず、皆先を急ぐ。山頂を往復して下山する人達に何人か出会う。

 三嶺山頂には一人も人は居なかったが、すぐ下の「三嶺小屋」には溢れんばかりの人達でごった返していた。徳島側からの日帰りの登山者が多い。中に入るのがやっとで、立ったままでの昼飯を済ます。

 名頃に向けて急な斜面を下って行く。霧に霞んだ景色の中に、真っ赤な花を付けた一本の大きな古木が浮かび上がって見える。マユミがびっしりと赤い実を付けていた。そう言えば朝登る時にも、小さな木に付いているのを幾つも見かけた。

今日は一日雨であった。この山は天気の良い時が本来の姿なのであろう、展望の良い山のように思われる。荒々しい険しい様相は無く、綺麗に整い整理整頓された山のようであった。