三ツ峠山 1785m

 2005年11月17日               山行者   4人

 

三つ峠(12:00)−開運山(15:00)−三つ峠(16:30)

 

200名山の一つで富士山の展望の良い山。富士吉田河口湖の前にあり最も富士山に近い山、御巣鷹山・木無山・開運山の3つのピークを総じて三ツ峠山と呼んでいる。新雪の富士を見たくて計画して見る。

大阪から車で6時間ほどかかった。富士急行線三ツ峠駅の裏手から狭い急坂の車道が登っている。その終点には車が停められる小さな広場があった。すでに3台駐車していて満杯の為急坂の車道に駐車する。丁度12時、昼食を取ってから出発する。

 直ぐ上を見上げた所が山頂のようで屏風のように切り立った山のように思える。橋を渡るとすぐにダルマの形をした大きな達磨石があり難しい梵字が刻まれていた。程良く色付いている紅葉と真っ青な青空が広がる気持ちの良い日、ハラハラと舞い落ちるカラマツの葉を浴びながら、落ち葉に埋まっている尾根道を登って行く。谷からの冷たい風がすでに冬の様子が感じられる晩秋の候である。

落葉広葉樹林の中の登りの道が一直線に上がっている。乾いた落ち葉がカサコソと気持ちが良い。昔からの修験道の道で良く踏まれていて歩き易い。ベンチのある股覗きで初めて富士山の姿が眺められた。頭を白く新雪に輝やかせ大きく立っている。しかし、すでに中腹には雲がたなびき間もなく隠れてしまうように思われた。下って来る2人のパーティに出合う。

八十八大師には小さな石仏が真っ赤な前掛けをして斜面一杯にぎっしりと並べられている。夕闇迫る中、赤い夕陽を受けて長く影を落としひっそりと鎮座している様は不気味な感じがした。ここから大岩壁を巻くように道はついている。関東で有名なロッククライミングのゲレンデである。覆い被さるように立ちはだかっている岩壁には幾つものルートが見られ、今一組のパーティが登っていた。巻き切るのに1時間近くもかかるほどの大きな岩壁であった。

巻き終わりザレタ斜面をはい登った所がその岩壁の上で開運山の山頂であった。すでに富士山は雲の中に隠れていて見えなかった。白くなっている南アルプスの山々や、大菩薩嶺・雲取山や奥秩父・丹沢の山々、360度の展望が広がっている。すぐ前には鉄塔の建っている御巣鷹の山があった。

下山も同じ道を下る。すでに夕闇が迫っていて樹林の中は薄暗く感じた。1時間半ほどで下り終えた。駐車場では1台車が無くなっていて空いた駐車場にテントを張る。5時を過ぎ暗くなってから、山仕事を終えた2人連れが反対側の山の方から降りて来て車は総て下って行った。

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御正体山(みしょうたいさん) 1682m

2005年11月18日

三輪神社(6:20)−御正体山(10:00~10:20)−道坂トンネル(13:15)

 

「正体」は「神体」の意味で、山そのものを神として崇められていたようで、昨年は皇太子が登られ良かった山として「岳人」に紹介されていた。200名山の一つ、ここも富士山に近くて、富士の展望を期待して登って見る。

三輪神社近くの車道に車を置く。しばらくは舗装された車道が登っている。堰堤の工事をしているようで、広々としたトラックの通れるほどの広い車道である。まもなく朝の散歩をしているらしい男の人が犬を連れて下ってくる。さらに女の人が手押し車を押しながら下って来た。もうこの上には山道となり家屋はないものと思っていたが、女の人が問い掛ける間も無く話し掛けて来る。堰堤工事の為沢山出て来た大石を積み上げて貰い、無料で土台を作り格安で家を建てて貰って5人家族で住んでいると言う。平屋建ての大きな家が近くにあった。手植えのツツジが大石を覆っている。

車道の終点で堰堤の工事をしていた。ここから山道に入り樹林帯の登りになっている。信仰の山にしては細々とした道が続いている。杉やモミ・ツガなどの大木が多く、ひんやりとした空気が漂っている。このコースは北側からの登山道の為、富士の姿は尾根を越えるまで望めないように思われた。

登るに連れカラマツの林が続くようになる。谷を隔てた向かい側の下りのコースにも尾根には明るい色で紅葉しているカラマツの林が見られた。しばらくは感じの良い雑木林の尾根の登りが続いている。しだいに急坂となりロープ・クサリのある所もあった。

一汗かいて登り着いた所が池の平への分岐で、峰宮跡と言う小高い広場となっている。ベンチがあり今日初めての富士山が眺められた。丁度前面の木が切られており、ベンチに座ると格好の富士の展望所となっている。雲一つない青空の中で、雄大に裾野を延ばしている富士の全貌が見渡せた。ジグザグに登っている富士吉田口からの登山道も正面にはっきりと見える。富士五湖が全部見下ろせる場所ではあるが良く見えない。しばらくは写真タイムとする。

ここから山頂までは上り下りの尾根道となり、右手には絶えず富士の姿が望まれる。複雑に入り組んでいる雑木林に邪魔され撮影場所としては良く無い。山頂は周りを樹林が取り巻いていて展望は全くない。広い広場には一等三角点があり、「平成16年10月15日皇太子殿下御登頂」の看板が建てられ、真新しいベンチと机があり、小さな祠があった。しばらく休憩する。

下りは道坂峠への道をとる。落ち葉に埋まった急な坂道を勢いよく下って行く。北に向かうコースの為もう富士の姿は望めなかった。向かう方向には雲取山や奥秩父の山々などが見渡せる。色良く紅葉し落葉している木々の中で、青々としてまだ葉を落としていない樹木が多数目に付くようになる。赤い実をぶら下げている木を見つけ、やっとマユミの木である事が判明した。日当たりの良い広場では10数本が重いほどびっしりと赤い実を付け、青い空に向かって立っている様は見事な眺めであった。葉を落として赤い実だけの木もあり、派手な色合いが良く目立つここは正しくマユミの山であった。

峠からトンネル前の車道へ下る道は、都留側方面は不明であったので道志側へ下る。コンクリで封鎖されている旧国道のトンネル前を通過し、道なりに下って行くと道坂トンネルの入口前に出て来た。ここから車を置いてある三輪神社までは国道を歩けば1時間以上はかかるであろう。国道のため車の往来も多いようなので便乗を依頼する。すぐに運良く真っ赤なポルシェを捕まえて2人だけ先に下って行った。

綺麗に整備された都会に近い感じの良い山であった。