笊ケ岳 2629m 七面山 1982.4m
2007年11月25日〜27日 山行者 3人
笊ケ岳
【11月25日】
3年も前から計画しているが中々実施できなかった山である。富士山展望の山、いずれも200名山。車で大阪を20時に出発すると、道の駅「とみざわ」には深夜1:時に到着する。軒先で仮眠を取ってから登山口のある老平集落に向かう。1時間程の7時に到着する。大きな雨畑ダムの上部に広がる山間の小さな集落で、坂道の途中には小さな駐車場があり車が2台停まっていた。
直ぐに車止めゲートがあり車道を30分ほどで歩いてから山道に入る。直ぐ一軒の廃屋に出合う。まだまだ新しい立派な農家である。大きな柿ノ木があり、山深い山間での生活がしのばれる。深い渓谷を見下ろしながら山肌をへつるように道がつけられている。黒部しもの廊下を歩いている感じがする。下って来ている一団に出合う。連休の最終日にあたる為下山者は意外と多い。転付峠からの縦走のようで、雪は全く無かったそう。
広河原の渡渉点では水量は少なかったが靴を濡らして渡る。ここは水量の多い時には流される事故があったそうで悪場の一つ。テント場には水場が無い為、ここで各自2日分の水を担いで登る。
いよいよ急登が始まる。テント場まで高度差1500mの一気登りである。最初はジグザグに、やがて胸を付くような急坂に息が切れる。カラマツ林と笹原が続き、うず高いほどの落ち葉に足が滑る。カラマツは昭和43年に植林したと標識があり、何の用途に使うのであろうか急な斜面に広範囲に植えられている。
何人も下ってくる人達に出合う。桧横手山で2021mの所、ここから少し平坦地になり鞍部に狭いがテントの張れる台地があった。ここが目標のテント場、13時で少し早いようだが、まだまだ急坂が続くため今日はここまでとする。
【11月26日】
今日も天気は良い。頂上往復のため、空身で出発する。昨日の続きでさらに急坂が続いている。薄暗い中いきなりの急登に体調があまり良く無い。ゆっくりと登って行く。高木の樹林帯を抜けるとそこは布引崩で、展望が開かれ広大なガレが足下に広がっている。南アルプスの光岳から聖岳への山並みが青空の下にくっきりと眺められる。
布引山の先に大きな広場があった。テントが一張あり、樹林の間から富士山が程良く眺められる場所である。広いテント場である。
一旦下ってから笊ケ岳へ最後の登りにかかる。聖岳が谷を挟んで大きくなり、赤石岳が見えて来る。薄っすらと雪が白い。山頂に飛び出すと、明るく広々と360度の眺めである。南アルプスの総てが北岳から光岳までパノラマのように広がっている。富士山は目の前、手前は毛無山のようである。
下りは一段と気が抜けない急坂となり落ち葉に滑らないよう慎重に下って行く。2000mの一気下りである。河原で一息入れる。
老平の村でビールを仕入れ、七面山登山口に向かう。表参道登り口近くの駐車場にテントを張る。
七面山
【11月27日】
本日も七面山山頂まで1500mの一気登りである。表参道は参詣道の道、綺麗に整備された階段状の広々とした道がジグザグに登っている。大きな鳥居を潜り、50まである丁目石を目安に、単調な道をしばらく登って行く。時折坊主頭の若者が足早に下って行く。修験僧のよう。二人のグループが登って来ているだけの静かな山である。程よい所に休憩用の茶屋があり、茶店があるが閉まって閑散としている。
山頂近くには立派な山門があり敬慎院があった。大きな建物があり山岳都市のような感じがする。荷物用のリフトがカラカラと音を立てて回っている。車道の登り道は無いはずなのに、何故かトラックが山上を走っている。車はヘリで上げられたそうで、山頂一帯のみに車道が付いていた。
山頂へはさらに40分ほどの山道を登って行く。笹原とコメツガやモミのゆったりとした登りである。
ナナイタカレと呼ばれる大崩が道の端に見られる。絶えず崩れているため、道は内側に大きく付け替えられていた。随所に旧の道は綱が張られ封鎖されている。山頂は広々としているが樹林に囲まれ展望はない。三角点があるのみ。
帰りは奥の院まで通じている車道を辿り、大きな影嚮石の角から裏参道の山道を下る。石ころの上に深々と落ち葉が乗っかり、歩き難い道となっている。ピンク色の三枚葉が彩りよく枯れはの上に落ちている。メグスリノキのよう。樹齢700年の大トチノキの古木が安住坊茶店の隣にあった。ゴヨウツツジが多く、自然記念物に指定されている。
下って行って、角瀬の集落に降りて来る。直ぐにタクシー会社があり、登山口まで車を取りに行く。初冬の静かな山旅の3日間であった。
11/25 老平(7:00~7:45)−広河原(9:40)−桧横手(13:10)
11/26 (6:10)−笊ケ岳(9:20)−桧横手(11:40)−老平(15:30)
11/27 七面山登山口(6:00)−七面山(10:00)−角瀬(13:10)