猿ガ馬場山1875m

 

 2003年3月21日〜23日        山行者  6人

 

【3月21日】 晴れ

 

白川郷(7:15)−宮谷林道(9:40)−帰雲山(13:20)

 

今回の山行は前回時間切れの為帰雲山までで猿ガ馬場山山頂まで行けなかった為、再度の登山である。

 昨夜はPA大和で仮眠を取り、白川郷には7:00に到着する。朝が早い為か広い河原の中の駐車場は無人であったのでそのまま車を置いて出発する。

雪は林道入り口から始まっていた。すでに車が一台駐車していて、4人のパーティが山スキーの準備をして出発する所であった。2パーティが山スキーですでに登っているそうで、トレースが充分つけられていた。我々はアイゼンを付けて出発する。

宮谷林道まではアイゼンで気持ち良く登れた。雲ひとつ無い快晴の空に異常なほどに白い白山連峰がくっきりと朝日に輝いて見えている。次第に広がる大パノラマを楽しみながら高度を上げて行く。

林道から尾根に取り付いた所で乙訓山の会8人に追いついた。帰雲山でテントを張るそうである。しっかりと付いているトレース伝いに、ブナの林の中を登って行き、帰雲山には早く着く事が出来た。頂上を少し下った所の平坦地にテントを張る。

 

【3月22日】 曇り

 

(6:00)−猿ガ馬場山(7:00)−・1818(8:00)−籾糠山(9:50)−猿ガ馬場山(13:00)−帰雲山(14:00)

 

6:00 乙訓山の会が先に山頂に向かって行く。我々も後を追う。曇り空ながらも見通しは良く、風も無く穏やかな天候である。大きなオオシラビソの林の中をS字形に大きく湾曲しながら登って行く。しだいに展望が開けてきて白山の白い峰々が浮き上がってくる。

猿ガ馬場山山頂は広く白く長い雪の台地であった。三角点は左端に頂上は右の端にとなっているが、オオシラビソのてっぺんの木の枝が少し覗いている程度で広々とした大きな広場であった。猿の遊び場にはふさわしい広場である。360度の大展望、北アルプスが総て見渡せ、御岳と乗鞍岳が大きい。残念ながら3000mから上は雲に隠れていて、穂高や剣の頭は見えなかった。目指す籾糠山は一段少し低い位置にある為、小さく見えた。谷を挟んですぐ目の前に見えるが、尾根を大きく迂回して行くことになる。風が無く穏やかである。

気を引き締めて冬の籾糠山目指し、稜線伝いに猿ガ馬場山山頂を下って行く。狭い尾根には大きな雪庇が幾つも張り出していて、想像以上の相当量の積雪であるが、程よく締まった雪面にアイゼンが快適である。コブを幾つか越えて行き、籾糠山から続いている尾根にたどり着くのに、1時間ほどかかった。雪が深くなったため、ワカンに履き替える。

稲作をしたときに出たモミとヌカが風に乗って飛び、積み重なって山となったのが山名の由来だそうで、このあたりから眺められる籾糠山はまことにそのように感じられる綺麗に整った山である。卵を立てたように丸くスベスベとして真っ白で、山頂部分が周りの山々から飛びぬけて突出している。登りはさぞかしきつそうに思え、白く覆われた山頂は狭いが眺めは良さそうに思える。

幾つもあるコブは適当に目星をつけて稜線を巻きながら、少しづつ山に近づいて行く。形の良い山で写真には絶好の被写体である。夏には相当のヤブ山なのであろうか、人の入った形跡もあまり無く、目印のテープが見あたらない。雪深い山である。

 山頂の直下は固くクラストしていて、ワカンの爪を立てて一気に登り切る。山頂は思った通り狭く、ユックリと座ることは出来ない。断崖の上に座っているようで、足の下は谷底に向いている。眺めは良い。泉鏡花の小説で知られる天生峠が眼下に見える。飛騨から信州に抜けるこの峠は昔は険路であったと言う。雪が溶けたらここの天生湿原には多くの種類の花が咲くそうである。

 のんびりとも出来ず、一休みして山頂を後にする。下りはアイゼンに履き替える。サクサクと気持ち良く爪が食い込み、快適に下りて樹林帯の中でしばらくユックリとする。ここで又ワカンに替える。

 猿ガ馬場山目指して、来た通りのトレース伝いに引き返して行く。ズングリとした猿ガ馬場山が大きく立ちはだかって見えるがどこが山頂だかわからない。今日は1875mの山と1744mの山に2つ登れたことになり、満足である。雪山の強い照り返しも無く、曇り空ながらも風も無い快適な山行日和であった。

 往復6時間かかり猿ガ馬場山に引き返して来ると、山頂はスキーを履いた人達で賑わっていた。まだまだ続々と登って来ている。この山は山スキーの山に推奨されているようで、登山者は我々と京都の人達のみのようであった。スキーでは2時間ほどで滑り降りるそうである。

 

【3月23日】 快晴

 

帰雲山(6:00)−白川郷(8:30)

 

今日は快晴でユックリと下山に向かう。朝日に輝き白い白山連邦がピンク色に染まって行くのを眺めながら、白川の村を目指して下って行く。