マッターホルン顛末記
<日 程> 2017年7月28日(金)〜8月9日(水)
<参加人数> 1名
<行 程>
7月28日 関空発〜ヘルシンキ経由〜ジュネーブ着
7月29日 ジュネーブ発〜ツェルマット着 (Zermatt「1620」⇔Zmutt「1936」)
7月30日 (Schwarzsee「2583」⇔Hornlihutte「3260」)
7月31日 (Furi「1867」→Schwarzsee→Trockner「2939」)
8月1日 Riffelhorn(2927m) ガイドツアー(岩登り)
8月2日 Swiss Summit
Trail(Riffelalp「2211」→Gornergrat「3089」)
8月3日 Pollux(4091m) ガイドツアー(岩登り+高所順応)
8月4日 Oberrothorn(Rothorn「3103」→Oberrothorn「3415」→Blauherd「2571」)
8月5日 Edelweiss
Trail(Zermatt「1620」⇔Trift「2337」)(マッターホルンの予定をキャンセル)
8月6日 Glacier
Trail(Furi「1867」→Gornergrat「3089」)
8月7日 ツェルマット発〜ジュネーブ着
8月8日 ジュネーブ発〜ヘルシンキ経由〜
8月9日 関空着
<概要>
『マッターホルンへ登る』と決めて、早期退職(2年)し、2年と4カ月準備をそれなりに行い、いざツェルマットへ出発。フィンランド航空は、値段も安くて乗継もスムーズ、機材も新しくてお薦めです。ツェルマット到着後、アルパインセンター(以後AC)で以下の様に計画を立てました。
8/01 ブライトホルン(ノーマル・ルート)
8/04 マッターホルン
ところが、8/01 のブライトホルンは強風が予想されるため、キャンセルとなり、急遽、8/01 リッフェルホルンの岩登りとなりました。
ガイドとJ氏(スイス・チューリッヒ)と私で、リッフェルホルン(写真1)に登りました。リッフェルホルンの岩場へは登山鉄道のローテンボーデン駅から約10分で着きました。まず、45°程度のスラブ状の岩を、登って下らされました。ガイドから細かい登り方・下り方の指導を受け、20分程度繰り返し練習を行いました。リッフェルホルンでは、この後、スラブ状の岩は出て来なかったので、マッターホルンの登頂に欠かせない技術なのでしょう。登りは、横を向いて足をクロスさせながら少し斜め前方に登る。下りは、ステップを小さく、音を立てないようにそっと足を置き、リズミカルに下りる。さて、岩登り開始です。ガイドが2番のJ氏のビレイ・ループにカラビナを掛け、クローブ・ヒッチでメインロープを掛ける。ラストの私には8ノットでメインロープを掛ける。端末のダブルフィッシャーマンは無でした。それぞれ約5m間隔でどんどん急斜面を登って行きます。Waitが掛かったのは3回程度か?この時は、ガイドが15m程先に登り、確保の体制を取ってから、Comeの声が掛かる。二人同時に登ります。上に着くとまた3人で登りはじめます。少し驚きなのは、確保と言っても肩にロープを巻いただけで、自己ビレイも無です。落ちたらアウトの所を3人でどんどん登ります。あまり苦労もせずに、やがて頂上に着きました。頂上では、先に、別のガイドと日本人二人がいて、こちらは、メンヒ(4107m)に登って来て、明後日にマッターホルンの登頂を目指すそうでした。頂上で360°の展望を楽しんだ後、下り始めます。私、J氏、ガイドの順番で、5m間隔で同時に下ります。私が、後ろ向きに下りようとすると、「前を向いて」と声がかかります。こんな所は後ろ向きでしょと思うような所も、「前を向いて」と声がかかります。何で?と下山後に聞きました。答えは、「マッターホルンはスピードが大事。後ろ向きは次のステップを探しにくいし、とにかくスピードが遅い。」だそうです。下りは1回ラッペルしました。この時は、ボルトに8環をかけて、一人ずつ下ろしてくれました。私としては、順調に登って下ったつもりでしたが、私の動きがガイドから見ると不安だったのでしょう。ガイド曰く、「4000mは是非経験しろ。しかも、ポルックスがお薦め。」だそうです。
ツェルマットに戻り、急遽、ACで計画の変更、
8/03 ポルックス(岩登りを含む)
8/05 マッターホルン
○ポルックス(4092m)のガイド登山(岩登り+高所順応)
・ガイドの言う通り、マッターホルンの登頂は無理であろう
・登頂は無理でも、せっかくスイスまで来たのだからトライだけでもしてみるか?
・お金もかなりの金額なのに、途中まで行ってどんだけのメリットがある?
結局、今回はトライもしない事に決め、ゴンドラの駅からACへ直行し、予約をキャンセルしました。残念。
高槻労山の多くの方から、ご支援・励ましを受けていたにもかかわらず、今回、マッターホルン登頂を断念する結果となった事は、残念でなりません。しかし、夢は実現したら終わりです。来年と言う訳にはいかないですが、「Dream comes true, someday」と心で叫びながら、トレーニングを続けます。
・4000mの高所での体力が必要である。
・楽に(疲れずに)岩を登る技術が必要である。
(U氏・M氏・N氏は見るからに楽そうに岩を登っている)
・目標体重70kgであったが、73kg程度でこれも少し未達成であった。
・雪を時々踏み抜くのは何故?雪道の歩き方がなっていない。
減量のため、少し走っているが、息が上がって長くは走れない。長く走れるようにトレーニングする?少なくともコースタイムの8割程度で楽に歩けるようにする?タバコとお酒は、止めないつもり。上記4つの問題点への対応を考えます。
とはいえツェルマットは最高でした。シャワーが何日か午後にありましたが、天気も良かったし、ホテル(写真7)・ハイキング道(写真8)も良かったです。何より、モンテローザ・リスカム・ドーム・バイスホルン等の4500m超の山々は、いつまで見ていても飽きません。それに、マッターホルンの雄姿(写真9、10)。後半は半分恨めしく見ていましたが、やっぱり登って見たい山でした。
<ガイド登山費用>
・ブライトホルン(4164m) ノーマル 190 CHF
・リッフェルホルン(2927m) 305
CHF
・ブライトホルン ハーフトラバース 355 CHF
・ポルックス(4091m) 360
CHF
・マッターホルン(4478m) 1215 + 250?=1465 CHF
・飛行機(KIX/HEL/GVA往復) 149,300 + 4,900(Seat Res.) = 154,200
・鉄道(ジュネーブ/ツェルマット往復) 94 + 94 = 188CHF → 21,394
・ピークパス(8日) 335CHF → 38,123
・ガイド登山 リッフェルホルン 305
CHF → 34,709
ポルックス 360 + 10(IceAxe) = 370 → 42,106
・ホテル GVA/Zermatt/GVA 116 + 990 + 90 = 1,196 → 136,105
・食事等 約2万円
・お土産 約4万円
合計 約49万円
食事は、ゴンドラ駅やハイキング道にあるレストランで飲物とケーキ(これらがべらぼうに高い)を3回程食べましたが、それ以外は、ホテルの朝食をメインに、日本から持って行った物、スーパーで仕入れた物で安く済ませました。あくまで、費用は私の場合である。