大峯奥駈道縦走(南奥駈道)       Kido
日程  5月3日(火)〜6日()

行程概要

   〔5月3日〕 十津川村旭橋〜太尾口14:30〜深仙の宿17:00

   〔5月4日〕 深仙の宿5:30〜地蔵岳8:00〜持経の宿12:00〜行仙岳16:00 〜行仙宿16:30

    5月5日〕 行仙宿5:30〜笠捨山7:15〜香精山10:15〜岩の口12:35〜花折塚14:10〜玉置山山頂15:35〜玉置神社16:00 宿坊泊

    5月6日〕 玉置神社5:00〜大森山7:00〜五大尊山8:35〜大黒天神山10:35  〜吹越峠12:30〜七越峰13:00〜終点13:40〜本宮前1420 


大峯奥駈道は、「修験道の開祖」役の行者(えんのぎょうじゃ)(役小角えんのおずめ)によって開かれた1300年の伝統を持つ山岳信仰の聖なる道です。吉野と熊野の聖地を結ぶ約170kmに及ぶ標高1200m1900mの急峻な山岳が連なる大峯山脈の尾根伝いに走っております。今回はその南半分の約55.5kmを4日かけて歩きました。私は、2000年の同じ時期に、テント泊で同じコースを歩きましたが、非常にしんどかった記憶があり、小屋泊とはいえ、あれから16年経っているので、体力的に歩けるか心配でしたが荷物を軽くしたこともあり、同行メンバーに助けられながら、何とか歩けて満足できる山行になりました。


 初日は、高槻を8時に出発し、当初は昼過ぎ、登山口に着く予定でしたが、予定の道路の不通があり2時間位遅れたが、1240mの登山口から釈迦岳の尾根を目指す天気がもう一つだったので、稜線に近づくと風も強くガスってくる。ふと稜線の方を見ると鹿の群れ、よく見ると7〜8頭、警戒する様子もなく、尾根へ向けて駈け上って行った。鹿の群れを真近に見るのは久しぶりだった。それから、釈迦岳は登らず、トラバースしてしばらく行くと今日の宿である、深仙の宿に着いた。小屋の方はいっぱいとのことで、念仏堂へ泊めてもらう。既に、先客は1人いた。しばらくしてもう一人。全部で6人。十分なスペースを確保。夕食に取り掛かる。といっても、途中コンビニで買った弁当とお茶位の簡単な食事。最近泊りがけ山行(自炊)をあまりしていないので、何を持って行くか大分悩んだ。助かったのは、そこに、毛布があったことだ。荷物が入らず、シュラフを置いてきたので、助かった。天気予報で夕方から、前線が近畿を通過すると言っていたが、その通り、雨風が強く、一晩中降り続いた。

 翌日、朝になると昨晩とうって変わり、雨が上がった。 5時半出発し、すぐ石楠花岳への登りにかかるが、風が強く吹き飛ばされそうになるが、必死で頑張り、地蔵岳、涅槃岳と進む。昼過ぎ前回テントを張った持経の宿へ到着。でも、当時の記憶はほとんどない。そこから、暫く行くと、平治の宿、大分疲れてくる。あと、転法輪岳、倶利迦岳と進む。そこから行仙岳の頂上までの、1時間半の登りがきつく、頂上に着くとへとへとの感じ。でも遠く、北の方を見ると、今日出発した釈迦岳が遠く大きく見え、今日の行程を振り返る。遠く大台ケ原の方も見えた。ここは紀伊半島の真ん中で、東西南北山山山で、人里が全然見えない。こんな景色は、日本でも珍しいと思う。頂上から下ること、30分、やっと今日の宿の行仙宿山小屋に着く。宿には先客が5人。皆ひとり旅。ここの宿は、新宮山の会が管理運営をしており、会長自ら、お湯を沸かしたり、お酒、ビールをふるまってくれ、サービス満点。奥駈け道の昨今について、又宿の維持、登山道の維持について苦労話を聞かせてくれた。暗くなって、7時過ぎ、トレールランのメンバーが3人到着。今日はいろんな山行の人がそろった。修行としての奥駈けは、6月からであるが、最近はお寺の住職も忙しく、行者さんは減っているとのこと。又、ほとんど釈迦から前鬼へ下りてしまうとのこと。

 3日目も5時半出発。今日も天気はよさそうだ。最初は、笠捨山までの300mの登り、急登できつかった。それを過ぎると槍ヶ岳、地蔵岳と、岩場の多いクサリ場が続く。気を引き締めて登り下りを繰り返す。石楠花がきれいだった。そこから香精山を過ぎ、昼食をとる。そこから下り前回テントを張った貝吹金剛を通過、13時過ぎ玉置山の登山口。そこからは、玉置山の参道となり、道はなだらかで歩きやすかった。花折塚近くの展望台からは、笠捨、地蔵がよく見えた。そこから頂上まで、約1時間、やっと玉置山の山頂に到着。頂上はシャクナゲの群生地で、きれいだった。そこから、30分下ると、やっと玉置神社へ到着。今日はここの宿坊へ宿泊。奥駈けの完歩を祈願してもらう。今日は精進料理ながら、久し振りの夕食らしい食事。又お酒も付けてくれ、皆さんご機嫌。もうあと1日だ。

 最終日、今日は、バスの時刻があるので、5時に出発。先ず大森山の登り300mを登りきると、後はほぼ下りにかかった。吹越山を12時過ぎ通過、なかなかラストが来ない。最後まで、登り下りの繰り返し、13時40分やっと本宮前の熊野川に着き、今回の長い山旅は終わった。12時過ぎから雨が降り出したが、大雨になることもなく、全体として天気に恵まれ思い出に残る、奥駈けを終えることが出来ました。ひとえに同行して頂いたK氏、F氏、計画を立て、色々手配して頂いたH氏に感謝しております。


今回の太尾口〜熊野本宮までの歩行データ。 
  歩行距離:
55.5km登り累積高度:約4,000m ,下降高度差:約5,160m, 最高点:古田の森(1618m 最低点:熊野本宮(55m) 以上