竜王山ハイキング報告
バスがJR茨木駅前を出発する時は晴れていたが、途中で山間部を見ると白く霞んでおり、案の定ボタ雪が舞う景色に変わった。終点忍頂寺で下車し、準備体操の後小雪の中を出発した。
竜王山への道は東海自然歩道の表示がある階段から始まる。木の枝にはうっすらと雪が積もりとても綺麗だ。時折小雪が降るものの、さほど寒くはなく、風もきつくないので歩きやすい。
宝池寺で衣服調整をし、ゆっくり歩いてもバス停から45分で竜王山山頂に到着した。立派な木製の展望台に目を奪われて上ったが、あいにくの曇り空で特徴的な建物以外はほとんど目視できない。展望台を下りてから、ところで三角点はどこ?と聞くと、少し戻ったところにあった。N氏がいなければ、見落としてしまうところだった。しばらく三角点談義に花が咲いた。あまり山頂らしくない竜王山山頂から車作方面へは、途中までやや急坂が続き、足元に注意しながら歩く。これからは穴仏・負嫁岩・岩屋等の見処のある場所が続出するので、見落とさないようにしなければ。
穴仏・負嫁岩へは途中の分岐を15分くらい入ったところにあった。負嫁岩という珍しい名前は「働き者が多いこの村にあって、よその村から嫁いできたお嫁さんが日々の厳しい仕事に耐えかね、怠け心を起こし、毎日のように家人を欺く口実を作り、この大岩の上に座ってくつろいでいたところ、この岩に住む天狗が現れ、お嫁さんを大声で叱り、岩の上の松の木にくくりつけた。お嫁さんは身動きが取れずに、餓死してしまった」という恐ろしい謂れであった。元の分岐へ戻り、しばらくすると岩屋があらわれた。岩屋には半分壊れたようなハシゴと太い鎖が取り付けられている。上からは更に胎内くぐりのための鎖が下りていたが、足場となるような突起物がなく、登るのは容易ではなさそうなので、ここまでで断念し、記念写真をとって下りた。心配そうに見上げるH子さんが待っていた。
途中、林道もまじえながら車作の集落へと昼食の場所を探しながら歩いていると、うまい具合に清水廃寺、経塚のところに下りてきた。高台にあって眺めもよく、屋根付きのきれいな板張りで昼食とした。車作とは変わった地名であるが、その昔、当地で産出した良質のケヤキを使って御所車を作り、献上したのが名前の由来だとのこと。そんな由緒ある車作だが、新名神工事のために山は削られ、木は切り倒され、車社会のために大きく変わってしまった。のどかな田園風景には不釣合いな超近代的空中道路といった風情に胸が痛んだ。そのようなことを考えながら歩いていると畑中権内の深山水路へ到着した。江戸時代の庄屋であった畑中権内は、水不足で困る村民のため、測量の技術もない時代に、村人を説得し独自に考案した夜間の提灯測量を実施。20年の歳月を要して水路を完成させ、そのおかげで村は繁栄したと言う。深山水路の案内板を見ると、現在地の近くに岩屋が位置しており、ショートカットできたのか?大回りして損したと一瞬思ったが、そのおかげで新名神工事をこの目に留めることができて良かったとすぐに思い直した。
車作大橋から歩行時間にして数分とは言え、竜仙ノ滝への登山口まではダンプカーの通行が多い府道46号茨木亀岡線を通るので注意が必要である。山の道に入ってしまえば20分ほどで滝に到着する。木々の間からは晴れ間ものぞくようになり、歩きやすく気持ちの良い道を竜仙峠〜萩谷の集落に到着した。摂津峡清掃ハイクで何度も歩いたこの道を、今日はハイキングのために歩く。上ノ口へのバス停が近づく頃は、顔を上げて歩けないほどのボタ雪に見舞われた。
今回は住宅地と山道への出入りがあり、穴仏・負嫁岩・岩屋・深山水路等は地形図への表示がないため、現在地が分かりにくく、いつもの山行とはちょっと勝手が違った。
ハイキング班山行のため、ゆっくりと歩き、休憩も多めにしたが、やや歩行距離・時間が長かったかも?と反省した。久しぶりに会った仲間や、12月に入会されたK氏も参加され、楽しく歩けたのは何より嬉しいことであり、今後のハイキング企画に希望をみいだした一日となった。
1. 行程
JR茨木バス停(8:10発) =忍頂寺バス停「310」 (8:50、9:00出発) →1.0K宝池寺 →0.2K竜王山510m(9:45-10:05) →1.0K穴仏・負嫁岩「360」 (10:40-10:45)→0.5K岩屋 (11:00-11:15) →1.5K車作集落経塚跡「240」(11:50-12:10食事)→1.7K権内遺跡(12:40)(5分) →1.1K車作大橋「135」(13:05)(10分)→1.1K竜仙滝「240」(13:40)(5分)→0.6K竜仙峠「370」
(14:20)(5分) →3.0K摂津峡(15:20)(5分) →1.5K上ノ口バス停(15:55到着)=高槻(16:10)
参加者7名
歩行距離 13.2Km 標高差 200m+225m+α
所要時間 6:55(歩行時間 5:25) 天候 曇り、晴れ時々小雪
報告者 Siraisi