京都・音羽山ハイキング報告

JR山科駅前にある京阪山科駅から石津線浜大津行に乗り、3つ目の大谷で下車する。今日のCLはN氏であるが読図の勉強になるから先頭を歩きたいと願い出て先頭を歩かせていただく。駅を背に右手へ5分ほど歩くと国道1号線。左に曲がる
とすぐに蝉丸神社がある。
これやこの 行くも帰るも 別れては
         知るも知らぬも 逢坂(あふさか)の関
蝉丸(10番) 『後撰集』雑一・1089
逢坂の関は、山城国(現在の京都府)と近江国(滋賀県)の境にあった関所と言われるように、ここはちょうど京都府と滋賀県
の府県境にあたる。ちなみに、音羽山山頂は京都府にある。

音羽山は横断歩道を渡って向こう側である。右手にあるあの坂を上がるのかな?と思って見上げていたら、上で車の誘導をされていた方が我々に向かって「ここに上がって来なさい、ここを右へ入る」と手で合図してくださっている。出で立ちから音羽山ハイキングだと察してくださったらしい。なんと気転のきくお方か!お礼を言って通り過ぎる。実際にそこが登山口であった。

それにしても、今日は天気予報どおり絶好の行楽日和となった。お天気が良いと、丸太の階段や急登の道も苦にならず、自然林の中を快適に歩けるから不思議だ。木の間に琵琶湖が見えてくると、気分は一層高揚する。琵琶湖と琵琶湖大橋、冠雪の比良の山々、遠く雲の向こうには白く雪をまとった伊吹山。無積雪期には砂利採取で禿山の伊吹山だが、冠雪の伊吹山は実に堂々としている。雲と山の境目がはっきりせず、まるで墨絵のような光景である。

音羽山の山頂は三等三角点が設置され、東に琵琶湖と大津方面、琵琶湖に浮かぶヨット。北に比叡山、西側は京都市内が一望できる。古都京都にふさわしくない、と否定的に見ている京都タワーであるが、山から見ると方角がよく分かって役立つ・・・勝手な感想。京都側から見る大文字山は、「大」の字ですぐに分かるが、こちらからだと言われるまで分からなかった。比叡山も京都側から見るとひときわツンと目立つ山であるが、ここから見ると穏やかな山容に見える。それにしてもすばらしい眺めだ。真上の送電線が興ざめ・・・これは見ないことにしよう。音羽山トンネルを東西に走り抜ける新幹線。昼食には随分早いが、すばらしい眺めを前にここで昼食とした。いつもの慌ただしい昼食ではなく、お弁当、お菓子、果物をよばれながらのんびり過ごす。自炊の用意をされていたソロの方には、カメラ3台のシャッターを押していただき、ありがとうございました。このホームページを見ておられると嬉しいなぁ。

次は牛尾観音を目指して歩こう。直進すれば千頭(せんず)(だけ)を経て石山方面。牛尾観音へは途中右手へ曲がるが、手書きの「パノラマ台0.2km」の表示に惹かれて直進する。ここからは草津・石山方面のビュースポットで、座って眺めるようにとご丁寧にもベンチがある。瀬田川・近江大橋・三上山も端正な姿を見せている。三上山は、その姿形の良さゆえ、滋賀のあちこちから展望できるのに、私が以前登った時には肝心の山頂からは木が生い茂って琵琶湖がよく見えなかった。今日は稜線歩きの時にも、またこのパノラマ台からもよく見えて嬉しい。元の道を少し戻り、牛尾観音へ標高差200m少々を下る。牛尾観音は桜の季節は良いが、今は眺望がきくわけでもないし、特記すべきことはなかった。あ!その節はお手洗いを借用させていただき、誠にありがとうございました。御礼申し上げます。追分から牛尾観音への道は舗装道路ばかりだが、音羽山から牛尾観音への道はなかなか良かった。追分からは車でお参りに来られるのだろう。

大谷から登ると、東海自然歩道の木の標識が随所にあり、ラミネートされた凛々しいお顔をした手作りの栗のキャラクター標識が←どこそこ、どこそこと誘導してくれる。私は竹の子と思っていたが、帰宅して調べたら栗らしい。栗か竹の子か知らんが、ユーモラスで分かりやすい。ただし、標識が完備されているのは牛尾観音まで。

牛尾観音から舗装道路を少し下り、桜の馬場から左手の橋を渡り、山道に入る。沢沿いの道を歩くことになるが、ほとんど標識はなく、それでいて踏み跡は結構あってすれ違う人も何人かいた。時折台風の影響か倒木をまたぎ、道が削られている。谷道なので景色を堪能することもなく、ただ黙々と歩くのみ。およそ30分で分岐に出てくる。地形図を見て醍醐へは左と思ったが、その前に高塚山に立ち寄るため、右上の道を行くらしい。手製の標識はあったが、何と書かれているのやら?高塚山山頂より少し手前の方が北西方向の視界が広がっていた。

ここでも景色を堪能しつつおやつタイム。元の道へ戻り、先ほどの分岐を左へ上がり、しばらくすると車道に出た。車道歩きが嫌だなぁと思い始めた頃、醍醐の標識が出てきた。ここが横峰峠のようだ。五大堂・開山堂方面へは正面の急な丸太階段を上がる。この一帯が醍醐山と言うか、醍醐寺の境内になっているようで、火の元厳重注意の看板がある。災難の身代わりになってくれるというありがたい五大堂でお賽銭を上げてお参りした。そんな魂胆のありありとしたお参りではダメか?とりあえず建物が見えたと言うことは下山したも同然かと勘違いしそうになったが、回りの景色を見ればここはまだまだ山奥。三宝院まで40分、石段の道が長かった。

ゆっくり歩いたこともあるが、景色の素晴らしさに足が止まったことが多々あって時間がかかった。このコースは、桜の季節に歩きたいと思っていたが、黄砂・春霞で遠景は楽しめないと思われる。やっぱり今日来て良かった。冠雪の比良山系の山々と琵琶湖は抜群の相性だな!←げんきんな奴

【行 程】                      

JR高槻発(8:00)JR山科(8:20)=京阪京津線大谷「160(8:40出発)1.2Kベンチ (9:18) 2.0K音羽山593m(10:25-11:05昼食)→パノラマ台(11:30-11:35)1.7K牛尾観音「370(12:00)(10)2.2K高塚山「475m (13:10-13:20)2.2K開山堂「454(14:30)2.5K三宝院「40(15:40)1.2K醍醐駅「20(16:00到着)JR山科(16:20)                  

参加者 7

歩行距離 13Km 標高差 440m 

所要時間 720(歩行時間 540)  

天候 快晴

報告:白石

  音羽山北方面・比叡山                     音羽山西方面                         開山堂
  五大堂                           音羽山山頂                       稜線から瀬田川方面
 稜線から西大津と比良の山々                大谷〜音羽山                     蝉丸神社