大文字山(465.4m

報告:SHIRAISHI

京都・夏の風物詩五山送り火で有名な大文字山は、四季折々にハイキングを楽しめる山でもある。桜満開の今日は、桜の名所を訪ねながら登ることにした。週間天気予報ではあまり期待できない空模様であったが、今回は桜の楽しみがある。雨でも行くぞー!と思っていたら、見事に晴れの一日となった。

 

スタートはJR山科駅から。毘沙門堂へは少し回り道をして山科疎水沿いに歩いてみた。これがいきなりの大ヒット。人通りも少なく、満開の桜が出迎えてくれた。桜の名所毘沙門堂では、ソメイヨシノ、しだれ桜が咲き乱れている。しばし桜を楽しみ、大文字山へ向かう道すがら毘沙門堂門跡の塔頭として建立された双林院(山科聖天)に立ち寄る。白木蓮が凛として咲いていた。色と言い形と言い、何と気品漂う花だろう。私のデジカメではとうてい表現できないのが残念だが、前日の雨のせいか水滴の付いている花びらがなんとも言えず美しい。華やかな桜と気品のある白木蓮、甲乙つけがたい美しさである。

 

観光気分を引き締め、徐々に山の道へと入る。展望のきかない沢沿いの道ではあるが、道がしっかりとしており、お天気が良いので気持ちよく歩くことができる。ネットでは、一昨年秋の台風の影響で道が荒れているとの情報もあったが、ありがたいことに補修され難なく通過できた。途中、京都トレイルの標識を2つ確認した。尾根道に上がり、左に京都市街地を見下ろしながら歩くようになると大文字山山頂も近い。

山頂には三等三角点や、ベンチ等も設置されており、大勢の登山客が休憩や食事をしていた。さぁ食事をと思いきや、その前にテーブルを囲んでこの春正式に発足するハイキング部会の説明や打ち合わせにはいった。時間はたっぷりある。ゆっくりと昼食をとり、次の目的地大文字火床へ向かう。ここも大勢の人で賑わっていたが、銀閣寺から上がってくる観光客もあって、山頂とはやや雰囲気が異なる。トンビが食べ物を狙って上空を回旋しているかと思えば急降下してくるので恐怖を感じる。大文字山山頂がどちらかと言えば、京都駅や南方面の眺望に優れ、火床からの方がさらに北方面も見渡せる。昨年秋に京都トレイル二ノ瀬から船山に下山したが、送り火の船形が一際目立っている。大文字山から他の四山も見えるはずであるが、鳥居形は嵯峨鳥居本曼荼羅山にあり、遠方のせいかよく分からなかった。それにしても、大文字山は手軽に登れて眺望に優れた申し分のない山だと思う。

十分に眺望を楽しんだ後は、マイナーなコース法然院裏手へ下山する。法然院へは、大の字の左の払いの字画に沿って階段を下りるとのことであるが、上から見るとどこが払いやらよく分からない。幅の狭い階段に足を踏み外さないよう注意しながら下りる。私を含め、法然院へ下山するのは初めての人が多かった。なかなか雰囲気の良いところである。いかにも森という感じの中を気持ちよく歩いた。下山途中に知ったことだが、ここは【京都・文化の森(京の景観保全林・大文字山)】と名付けられ、官民一体となって森と文化財を守っているそうだ。途中「カブトムシの森」と名付けられた場所があり、この春転勤で退会されたTさんは大の昆虫好き。彼がいたらさぞ喜ぶだろうね、とKさんと話した。Tさ〜ん、元気でねー!いつまでも仲間だよー!と心の中でエールを送った。

 

法然院に下山すると、そこから先はまるっきり京都観光の風情である。哲学の道を歩いたことのない人は?と問うとU氏一人。せっかく桜満開のこの時期だから、芋の子を洗うような観光客に混じり、途中から哲学の道を歩くことにした。哲学の道は初めてでも、その他のことはめっぽう詳しいU氏のおかげで知らなかった道や設備の詳しい説明を聞くことができた。今日も山だけでなく、プラスαの楽しいハイキングができて感謝です。

 

【行 程】

JR山科駅910→→915山科疎水→→930毘沙門堂→→945山科聖天→→分岐→→1125大文字山「465.4m1220→→1240火床→→1335法然院→→1410哲学の道→→野村美術館→→永観堂→→南禅寺→→1450南禅寺水路閣→→1505インクライン→→1525地下鉄蹴上

山行日  2015/4/4(土)
参加者  8名
所要時間 6時間15分
標高差 400m
天気 晴れ

.山科疎水                           毘沙門堂しだれ桜                   山科聖天白木蓮.                      大文字火床
    火床                           .コバノミツバツツジ                        京都・文化の森                   .哲学の小径
.水路閣                              南禅寺疎水                        .琵琶湖疎水説明 .                      台車と船