三重岳    2013年7月1日              ポンポン山雑感

                                   三鍋敏郎 

石田川ダムから北上し、落合手前にある登山口から取りつく。暫くは植林地の中を標高差200mほどの急登。飲みすぎの体には堪えるアルバイトである。登りきるとほぼ水平歩道となる。途中何度かアップダウンがあるがヤマボウシやコアジサイ、ツルアリドウシの可憐な花を愛でながら歩く。尾根筋からは対岸の大御影山の反射板が見える。こちらの稜線と同じように穏やかな稜線が蒼く広がっている。

 ブナ林の稜線を吹き抜ける風が快い。天気予報では日中は蒸し暑いと聞いていたが、ここは別世界。前衛峰のP844を越えると、三重岳本体がみえてくる。ブナ林が終わり、樹木が風衝で低歪化した灌木の中を縫うようにして進むと山頂に出る。

 山頂からの展望は琵琶湖方面が僅かに眺められる。依然あった展望台も豪雪の為か無くなっていた。

 山頂にいると珍しく人の声がして、高島トレイル運営協議会のメンバーの女性2人が上がってきた。我々は山頂付近の木陰でランチタイム。

 休憩後、下山コースに向かう。山頂から西に歩き高島トレイルと合流し南下する。本日は三重岳の南尾根を下る予定だが、南尾根の取りつき点を見つけるのが大変だった。

ここでも読図力が試される。南尾根に取りつくと南に向かってひたすら歩くのみであるが、前回は障害になる灌木があり、相当苦労して登ったが、今日はなんだか歩きやすい。よく見ると障害になる灌木が鋸でことごとく切断されていた。有難いことだが、なんだか頼りない。贅沢な悩みを抱えながらブナ林の快適な尾根を下って行く。

実はこれが地形を見ず、道や赤テープに引きずられて歩く結果になるのだが、この時点では気づかない。ツル性のイワガラミの白い花が見ごろである。青空を見上げたり、ヤマボウシの花を楽しみながらどんどん歩いていると、前方に赤テープが見える。しかし、そろそろ進路を左手に取らないとだめだ、と気が付いてテープを無視して左の尾根に進んだのだが、標高差70mほど手前でその分岐点に気が付くべきだった。

 おかしいな、おかしいなと思いながら急斜面の崖を降りて、林道に出て地形を見ると、予定の尾根より500mほど西の尾根を下っていた。道に引きずられ、テープに惑わされた結果が、地形の読みを誤ったのである。木を見て森を見ず。反省!

★メンバー 他4名

★コース 落合手前登山口〜P698m〜P844m〜三重岳〜P950m〜P686m〜林道〜登山口