竜ヶ岳・静ケ岳    地形図「篠立」                     ポンポン山雑感

                             2013年5月29日             三鍋敏郎

 
  石榑峠まで車で上がり空き地に駐車する。風が強く霧が深く雨の気配濃厚。峠からいきなりザレた斜面の登り。抉られた急斜面は非常に歩きにくいが、イワカガミの淡いピンクの花が慰めてくれる。潅木の間にはヤマツツジの朱色の花が目立つ。稜線に上がると道は穏やかになる。ズミ
(コリンゴ)の白い花も多い。

「重ね岩」は大きな花崗岩の重なったオブジュエ。この辺りからシロヤシオの木が現れる。やがてシロヤシオの花のトンネルを歩くようになる。登山道に強風で散らされた純白の花びらが痛々しい。花に近づいて花弁の中を覗くと雄シベの上部に黄緑色の綺麗な斑点がある。ほかの花も覗くと、真っ赤な斑点、茶色の斑点と色が微妙に変化してゆくようだ。おそらく咲いたばかりの花は緑の斑点のものだろう。

笹の稜線になると竜ケ岳は近い。笹の中を見ると、タニギキョウやツボスミレなどの花が隠れている。山頂付近の稜線には風雪でねじ曲がったシロヤシオの木が芸術的な姿で立っている。庭師が見れば喜びそうな風景である。
 竜ケ岳山頂は背の低い笹に覆われている。ガスに覆われ展望は全くない。シロヤシオ目当てなのか登山者が次から次に登ってくる。 
 竜ヶ岳を後にして静ガ岳に向かう。笹の斜面を下っていると、強風でガスが流され広大な笹の稜線に散らばるシロヤシオの木々の見事な群生が見られた。一同呆然と雄大な風景に見とれている。
 笹の斜面を下りきったあたりの鞍部に静ケ岳への分岐がある。左斜面にある道を下ると、ロープが張られた場所に出る。稜線が顕著になると穏やかな尾根の散歩道になる。ヤマツツジの大木が鮮やかな紅色の花を無数に咲かせている。地形のせいなのか植生のせいなのか、こちらの尾根にはシロヤシオは少なくヤマツツジが多く、イワカガミの花が見頃で淡いピンク色がいじらしい程可憐。
 静ケ岳山頂は潅木に覆われ展望は僅かな切り開き程度。風を凌いで昼食タイム。
 本日、雨は少しパラついた程度であった。5月の竜ヶ岳がこれほど素晴らしい風景を見せてくれるとは思わなかった。シロヤシオの季節に再び訪れ、仲間たちとこの感激を共にしたいと切に感じた山である。














★メンバー 他3名 
 ★コース石榑峠
8:55〜重ね岩9:44〜竜ヶ岳10:2510:35〜分岐10:50〜静ケ岳11:5212:19〜分岐13:05〜竜ヶ岳13:29       37〜石榑峠14:40