大座礼山 地形図「土佐小松」            ポンポン山雑感

2013年8月13日      三鍋敏郎

 大座礼山のブナの巨木群は以前から気になっていた。盆に田舎に帰るついでに登ろうと何度も思っていたが、延ばし延ばしで何故か猛暑の今年にようやく決断決行した。

  前日に母親に弁当をお願いしていたが、朝起きると、甥っ子が仕事も休みだというのに早朝に起きて来た。「どうや、一緒に山に登るか」と云うと「うん」と一言。早速二人分の弁当を用意してもらって、車で出発する。

  大田尾越と呼ばれる峠を東に越えた林道の分岐点の空地に車を置いて、日差しの厳しい林道を西南方向に進むと林道の右手に登山口が見える。登山口辺りに植林があるが、すぐに自然林に変わる。炎天下の林道を歩くより随分快適である。

 途中で出会う谷には水は全く流れていない。やがて山道は大座礼山の中腹をほぼ水平に歩くようになる。ようやく水の流れる谷で、水を汲んで喉を潤す。甥っ子にもコップを渡す「冷たいやろ」「うん美味しい」大北川源流にも水は無い。この谷の水が早明浦ダムに流れ込み、遥々香川県まで届くらしい。雨はしばらく降っていないのだろうか。

 井野川越で尾根に乗る。ここから登山道の方向が変わり、急坂の直登。スズタケが左右にある。登りきる手前でブナの巨木にいきなり出会う。圧倒される樹形である。四国で一番大きなブナらしいが。見事さに暫し呆然とする。現在は柵に囲まれブナの傍に近づけないのが残念。この辺り一帯にはブナの巨木が点在している。ブナに見とれながら歩くと広々とした台地状の地形になり、前方に山頂が見える。窪地の突き当りから左斜めに進むと、やがて直登になり標高差40mほどで標高1587.5mの大座礼山に到着。

 山頂は、石鎚山、赤星山方面の展望が開けている。しばし展望を楽しんだあと、ランチタイム。山頂は暑いので灌木の日陰に行くとアブの大群が襲ってきた。薄荷水を顔や手などに霧吹きでふりかけるが、汗で薄荷水の効力が落ちる手の甲を刺される。手で払うと血が噴き出して痛い。山頂の日向に戻るとアブの襲撃が大幅に減少するので、山頂で弁当を食べるが非常に暑い。記念写真を撮って三ツ森山方面に向かう。この北西尾根にも美しいブナ林が広がっており涼しさを感じる道だ。大田尾越分岐点から右に折れ北に伸びる尾根沿いを進む。ブナが疎らに点在する笹藪の道だが、道は明瞭である。標高1250mを越えると登山道は急斜面の下りになる。走るように下り、小ピークを越えると眼下に大田尾越の林道が見える。林道に出て南に向かう。峠は風の通り道なので少し涼しい。鼻歌交じりで林道を暫く歩くと、やがて車を置いた登山口が見えてきた。

★コース 林道登山口9:00〜登山口9:05〜大北川源流9:41〜ブナの巨木10:20〜山頂10:3811:05〜三ツ森分岐11:21〜大田尾越12:08〜駐車地12:28