大辻山 地形図「大岩・小見」 ポンポン山雑感
2013年7月16日 三鍋敏郎
長尾峠は標高930m。ここまで車で入れるので地元の小学生達にも人気の山の様である。仮設トイレもあり、車も67台置けるスペースがある。
峠から歩き出すと道端に夏椿の花が落ちている。暫く歩くと樹林に囲まれて薄暗い長尾山に到着する。大辻山への登山道には夏椿が異常に多い。登山道を埋め尽くすように白い花で満たされている。奥長尾山も夏椿とブナなどの自然林に囲まれて展望はないが、落ち着ける穏やかな雰囲気がある。
奥長尾山からもしばらくは穏やかなご褒美道である。「熊や!」西川さんの大きな声で顔を上げると目の前に大きな体の熊が背をむけてあわてて逃げて行く。
熊除けの鈴を鳴らしながら歩く。美しいブナ林が広がる歩きやすい穏やかな尾根歩き。ダケカンバやウダイカンバの大木が多い穏やかな斜面を登りきるとブナ平に到着する。休憩には最適な場所である。
ブナ平からは再び急坂の登りとなる。この辺りも大木が多い。立ち止まっては大木を見上げて呼吸を整える。
急坂を登りきると台地状の尾根歩き、巨大なタテヤマスギなどを見ながら歩くと、北尾根ルートと合流する。合流点からしばらくは平坦であるが、小さな鞍部を越えてから標高差70mほどの急坂を登ると大辻山山頂に出る。大辻山は地元の登山客であふれていた。ポンポン山の様に地元民に慕われている山なのだろう。
雲の切れ間から展望が徐々に開き、大日岳が見え、室堂平の奥に立山が見える。薬師岳・昨日登ったピラミダルな鍬崎山も目の前に見える。
短時間の歩きで簡単にアルプスの展望を楽しむことが出来るのも人気の秘密かもしれない。