墓谷山ノコ尾根                              ポンポン山雑感

2013年12月17日               三鍋敏郎

013年に発行された余呉トレイルマップを見ると、墓谷山の西尾根のノコ尾根と呼ばれる場所に赤い点線のルートが記載されていた。墓谷山には随分昔に南尾根から登った記憶があったが、今回は雪の西尾根から挑戦した。 

余呉町上丹生の高時川に架かる橋を渡ってすぐ右に狭い道路があり雪で白く覆われていたが進入する。トレイルマップを見ると、高時川と支流の合流点に向かって張り出した尾根のやや左手上流から取りついている。登山道が無いので適当に斜面に取りつくが、杉の植林の中の厳しい登りである。標高344.6mの三角点辺りで少し斜面が緩くなるが、標高差250mほどのアルバイトが必要である。コナラやアベマキ、ナツツバキなどの木が林立する自然林に変わると何故かシカ達が稜線上を歩いており、そのトレースが利用出来るので有難く使わせてもらう。主尾根に乗ると冬枯れの樹幹から左手に七々頭岳の勇姿が見える。振り返ると琵琶湖辺りの風景も見え始める。相変わらずシカ達が正確に尾根の中心を拾って歩いている。目的は木の実や冬芽だろうか?それにしては左右に振れることもなく、全く登山者の様に真っ直ぐ山頂を目指して歩いているように見える。 

ノコ尾根とは、墓谷山から西に伸びる稜線で標高640m辺りからの呼称だろう。ピークが見えたと思って登ると、もっと奥にピークが見え、再び登るとその奥にピークが見えるという事を何度も繰り返すので精神的に疲れる尾根歩きである。地形図を眺めて山頂まで何個の小ピークが並んでいるかを頭に叩き込んで挑戦しないと気が滅入ってくる。

積雪が深くなって歩きにくいのでワカンを着ける。痩せ尾根が連続し左右の傾斜がきついので緊張が走る。稜線の樹林の間から左手に横山岳。右手には陽光に輝く琵琶湖や湖面に浮かぶ竹生島、沖ノ島などが見え、手前には静寂に包まれた余呉湖の湖面が鈍く光っている。 

山頂が近づくと積雪がますます深くなり歩きにくい。シカ達は山頂部を回避するように墓谷山の支尾根向かったのだろうか、足跡が左右に分かれて途絶えた。僅かに残されたブナ林を抜けると山頂に出る。山頂の東面が開けて展望がある。雄大な横山岳や奥美濃の山並み、金糞岳が見える。山頂にある三角点も古墳も雪に隠れて全く確認出来ない。遅めの昼食をとり、下山にかかる。山頂から少し戻ると南面に開けた場所ある。そこから眺める琵琶湖の金色の湖面に広がる微妙な光線の陰影や、余呉湖を取り囲む山影の連なりが疲れた身体や心を癒してくれる。

 

★メンバー 他3名
 ★コース 下丹生登山口
9:14P64011:15〜山頂12:4813:20〜登山口15:51