300名山紀行 奥三界岳 1810.4m
2012年5月4日 曇 有志 5人
岐阜と長野の県境にあり、三界岳の奥にある山。三界岳は落石の為登山禁止になっていた。ヒノキの美林が多く、江戸時代には尾張藩の直轄地として立ち入りが禁止されていた。近年伐採が進み、林道が奥まで延びている。伐採跡には植林がなされていない為、崩壊の激しい山となっている。
夕森公園キャンプ場から林道を少し登るとゲートがあり広い駐車場がある。車をここに置いてから出発する。
しばらくは舗装された林道をたどると休憩舎がある。その先の橋を渡ると左手に登山口の標識があり登山道に入って行く。すぐに下りとなり吊橋で川を渡る。ユラユラと揺れて湿って滑り易い吊橋、一人づつ慎重に渡る。渡り終えた所から急登が始まっている。ヒノキ・ミズナラ・カエデの樹林の中、歩き易い気持の良い道がジグザグに登っている。ジンワリと汗が出る。
1時間ほど登ると大きな林道に出てくる。トラックも通れるほどの大きなもので、水平な道は右手に深い渓谷を眺めながら北上している。ガスが立ち込めていて周りの景観は得られないが、左側は高い崖、右側は深い谷、総て皆伐されていて殺風景な光景である。渓谷の流れが凄まじく、渓谷美と滝が名所になっている。道路には大きな落石が至る所にあり、整備しないと車は通れない。
林道を1時間程で右手に細い林道がターンして分かれている。車が通れるほどの広い道ではあるが、こちらは原型が判らないほどの落石に埋まっている。岩屑を乗り越え落石に注意しながら急ぎ通過する。木造の大きな立派な橋もあった。 30分ほどで林道の終点になり造林小屋があり、やっとここから登山道に入る。
ササハラの中の登りが続いている。やがて水の流れているゴロゴロ石の谷中を登って行くと稜線に出てくる。アスナロ・クロベ・コメツガなどの樹林帯は湿った沼地になっている。暗闇に星が瞬くように一面バイカオーレンが咲いている。ショウジョウバカマが僅かに見られた。
樹林帯の傾斜が緩やかになって来ると、残雪が見られる。沼地に足を取られながら進むと平坦地の先に頂上の大きな展望台が見えてくる。展望台からは御岳などが見えるそうであるが、ガスっていて展望はなかった。モヤに包まれ、ササハラに囲まれた山頂は鳥の鳴き声だけの聞こえる静かな広々とした山頂であった。
最初の吊橋(6:07) 木造の橋(8:12) バイカオーレン(10:06) 奥三界岳山頂(10:41)
下りの途中 数組の登ってくる人達に出会う。バラバラと雨が降り出して来た。