ゆっくりと鳳凰山花紀行

     2012.7.31-8.3  Noさんと二人で

  行程
   1日目(7/31())
    京都駅八条口(23:03出発)夜行バス(近鉄:クリスタルライナー)
   
   2日目(8/1())   天気 快晴
      甲府駅南口(6:42) 朝食、昼食をコンビニで買い込む
      甲府駅南口(7:00) =<登山バス>= 夜叉神峠登山口「1380(8:12着、8:40出発) (5)(5)2.2K夜叉神峠小屋「1790(9:55)(10)
      →
(5)2.4K杖立峠「2175(11:40)(10)(5)(5)3.6K苺平「2510(13:50)(20)1.8K南御室小屋「2430(14:50到着)
                                                                                    南御室小屋()
      歩行距離 10.0K  標高差1130m+α 所用時間6:10 歩行時間 5:05 

   3日目(8/2())    天気 快晴
      南御室小屋「2430(5:50出発) 1.9K砂払(6:50-7:10)0.2K薬師岳小屋「2710(7:28)0.3K薬師岳2780m(7:35-7:50)1.1K観音岳2840m(8:50-9:05)
      →
(5)(5) 1.7K赤抜沢ノ頭(11:25) 0.1K賽ノ河原「2710(11:30-12:55昼食他)1.3K鳳凰小屋「2380(13:35到着)
                                                          鳳凰小屋
() 
      歩行距離 6.6K  標高差410m+α  所用時間7:45 歩行時間 5:25

   4日目(8/3())    天気 快晴
      鳳凰小屋「2380(6:10出発) (5)3.4K燕頭山2015m(7:30-7:40) (5) (5)(5)2.3K西ノ平分岐「1320(9:40)(10)
     →
1.2K御座石温泉「1100(10:20到着)
      御座石温泉(10:20-12:30入浴他、12:30)=<登山バス>=韮崎(13:10)
      JR韮崎(14:42(40分遅れ) =JR塩尻 (17:03) =名古屋(19:08着、19:13)=京都(20:50着、20:59)JR高槻(21:12)
      歩行距離 6.9K  標高差 -1,280m 所用時間 4:10 歩行時間 3:30

  概要
   2日目(8/1())

 朝5時韮崎の手前であろうか、バスのカーテンを開けると裾野から伸びる富士山の綺麗なくっきりとした姿が目に入る。目を右に向けると地蔵岳のオリベスクが聳える。更に目を右に向けると甲斐駒ケ岳が勇壮な姿をしていた。こんなに鮮明な山々の姿を見るのは珍しい。(@7,500)
 バスは予定より10分ほど早く甲府駅南口に着いた。予定を変更し、早速コンビニ(フアミリーマート、ローソン)に行き、朝食と昼食用の食料を買い込み7:00発の広河原行の登山バスに乗り込む。20人程度の小型バスであるが、満席にならず出発する。甲府から見る富士山は礼儀正しくスカートを履いている。芦安に近づくと真正面の谷間に山塊を見るようになる。切符売りのおばちゃんに尋ねると北岳と言うが、後で農鳥岳と判る。途中芦安温泉に立ち寄り、6人の登山客が乗り込み満席となる。20分ほどでバスは夜叉神ノ森に着く。我々を含め4人だけ下車し、残りの登山客は広河原に向かった。(@1,380)
 登山準備を行い、8:40登山口を出発する。広葉樹のミズナラを含むカラマツ主体の樹林帯をゆっくりと登る。バスの中での寝不足の為か直ぐに汗が噴き出て、体調があまり良くない。30分歩き最初の休憩をとる。水分を補給し少し歩くと後30分の標識を見る。更に15分歩き、道が右から左へ大きく曲がった地点で2回目の休憩をとる。9:50やっと四差路(左:高谷山)の峠に出て、右の尾根を登り夜叉神峠小屋に着いた。左側が展望地になっていて白峰三山(右から北岳、間ノ岳、農鳥岳)が正面に眺められた。
 10分間休憩し、北に延びる尾根筋を進む。少し下って登り返す。汗が出て、高度の関係で気温が下がったせいか、少し体調は良くなる。一度休憩を取り、樹林帯はいつの間にかカラマツからシラビソに変わっていた。11:40鉄パイプで組んだ標識のある杖立峠に着く。休憩後暫く平坦な道を進むが、直ぐに登りになる。鬱蒼としたシラビソの樹林帯の中を登る。一度休み暫く登ると山火事跡と思われる見晴らしのきく所を通過する。暫くして休憩を取り、シラビソの樹林帯の中を延々と登る。13:50本日の最高点苺平「2510」に到着。先客四名が休憩していた。此処でシラビソの樹林を眺めながら本日最後の休憩20分を過ごす。
 本日の山小屋「南御室小屋」までは標高差80mほど下るだけである。暫く鬱蒼としたシラビソの平坦な道が続く。途中左に辻山からの下り道と出遭う。30分ほど歩き14:50南御室小屋に到着した。此処は水が豊富で絶好のキャンプ指定地になっている。周りにはクルマユリ、シシウド、テガタチドリ、ヤマオダマキ等の高山植物が咲いていた。

   夜叉神峠小屋前展望地より(9:55)                杖立峠(11:39)                   山火事跡(12:54)               南御室小屋到着(14:47)
  3日目(8/2())

 WeekDayの性か南御室小屋の客は30人程度と空いていた。朝食は5:00からで出発は5:50となった。小屋の裏を北に向かって登る。標高差320mほど登るが、シラビソの樹林帯の中にダケカンバの木を見るようになる。1時間ほど歩くと大岩が出てきて樹林帯を抜けた。展望が一気に開けた。砂払岳に着いたのだ。これはすごい!白峰三山だけでなく、仙丈ケ岳、多分塩見岳、悪沢岳、赤石岳であろう。前方は薬師岳、観音岳、地蔵岳が見える。振り向くと富士山が浮いていた。良く見ると仙丈ケ岳と北岳の間に中央アルプス(左から空木岳、東川岳、木曽駒ケ岳)が覗いていた。カメラのShutterを押しまくり、砂払岳の岩場を越えてふと足元を見るとタカネビランジではないか。本日初めてのビランジである。コゴメグサも咲いていた。
 薬師小屋の前を通ると6年前にはなかった離れが増設されていた。10分足らずで薬師岳の前に出る。足元を見るとあちこちにビランジが咲いていた。展望も良く、仙丈ケ岳から白峰三山、遥か赤石岳方面まで、また中央アルプスも覗く。振り向くと富士山がまだ見える。展望を楽しんだ後、稜線満歩を楽しみながら観音岳に向かう。今は岩間、砂地にビランジの花が満開である。1K程の道のりを60分かけ、景色とビランジを満喫しながら進む。今回の最高点観音岳2840m8:50に到着。ここからの景色は甲斐駒ケ岳、赤抜沢ノ頭、地蔵岳方面が良い。此処には二等三角点の標石がある筈なので探す。山頂は岩ばかりなので標石は置いているだけである。記念写真を撮り、暫く展望を楽しんだ後、赤抜沢ノ頭へと向かう。稜線沿いの岩間を下る。

     砂払岳から見た北岳以南の南アルプス(6:50)            砂払岳から見た富士山(7:09)     稜線満歩を楽しみながら観音岳に向かう(8:05)
この辺は岩間、砂地にビランジが特に多い。赤、白、ピンクと。
Shutterを押し続ける。途中右に鳳凰小屋への分岐を見て、登り返す。それにしても天気が良すぎ暑すぎる。写真を撮りながら2回ほど休憩を取る。やっと11:30赤抜沢ノ頭に着く。

 賽ノ河原に出て地蔵岳の岩塔が見えるダケカンバの下の木陰で、南御室小屋で作って貰った弁当を頂くことにした
(@1,000)。後は鳳凰小屋に下るだけである。昼食後休んでいる時一人の登山家が地蔵岳の岩塔に登ろうとしている。あれよあれよと言う間に岩塔に立った。凄い!傍の連中もカメラを向ける。傍にいた数人の連中も岩塔に向かうが途中で諦め引き返す。それにしても此処から見上げるオリベスクは圧倒的な迫力だ。賽ノ河原で1時間ほど滞在し、鳳凰小屋へ向かう。例の砂礫の斜面を楽しみながら下り、13:35鳳凰小屋に到着した。

  観音岳より甲斐駒方面を望む(8:51)        賽ノ河原より(12:35)              地蔵岳の岩塔を登る(11:47)
小屋の周りにはクルマユリ、タカネグンナイフウロ、ヤマブキショウマ等の初夏の花が咲き、ホウオウシャジンやヤナギランは咲いていなかった。小屋の親爺さんに聞くと今年は気温の関係で遅れていると。咲くのは
8/20以降になるだろうと言われていた。(@8,000、ビール@600)

 4日目(8/3())

 朝食は5:30からで鳳凰小屋の出発は6:10となった。小屋から東に分岐があり、右がドンドコ沢、左が燕頭山方面である。道はダケカンバとシラビソ混じりの樹林帯の中にある。10分ほど歩くと右前方が開け、富士山が綺麗に浮かんでいた。今日も天気が良い。登山道は良く整備させている。30分も歩くと左に木間越しに八ケ岳をみるようになる。又左後ろを見ると甲斐駒が覗いていた。暫く木間越しに両山を望みながら下る。1ケ所登山道が崩れ迂回路となっていた。7:30燕頭山に着いた。休憩時シラビソの樹皮にトロロコンブ見たいなものが垂れ下がっていた。サルオガセである。何故かダケカンバの樹皮にはない。調べてみると針葉樹だけに垂れ下がるらしい。

      富士山が浮かぶ(6:18)                   甲斐駒ケ岳(6:55)                   八ケ岳山系(7:18)              サルオガセ(7:37)
 此処までは比較的平坦な勾配の緩い道であった。燕頭山から御座石温泉までは標高差1,000mを下る急勾配の道である。30分下ると猿田彦大神の祠を過ぎる。30分毎に3回休憩を取り、慎重に下る。西の平の手前に何某渓谷への分岐があり、最後の休憩を取る。西の平の東側が大きく崩れ治山工事中であった。尾根筋を下り、10:20御座石温泉に到着した。バスの時刻12:30まで2時間もあったので入浴等で時間を過ごすのであった。(入浴料@1,260、バス代@1,700)

所感

 週間気圧配置と鳳凰山の登山天気を見て7/31()夜出発した。従って、天気は3日間共快晴に恵まれた。今回の主目的はタカネビランジの写真撮影であったが、もうひとつの目的は山の写真を撮ることであった。ビランジの開花時期も丁度良かったように感じた。綺麗な赤、白、ピンクの花に出会い、目的は達成した。Shutter200コマ近く押し、良い写真も撮れたものと思う。おまけにWeekDayとあり、山小屋も客が少なくゆったりとした気分の山行となった。