300名山紀行   蓼科山・浅間山

  2011.11.27-28   有志 4名

 蓼科山 2530.0m


   登頂日 2011.11.27   天候  晴れ
   女神茶屋(10:20)−蓼科山(13:25)−女神茶屋(15:00

 北八ケ岳の山麓を走っているビーナスラインが雪に埋まっているかと心配していたが、全く雪はなかった。暖冬なのであろう、八ケ岳の雪は斑模様程度である。昨年の同じ時期、天狗岳はすでに真っ白であった。
 南側の登山口、女神茶屋から登山に出発する。茶屋は閉じられていたが、広い広場には車が3台ほど見られた。少し先の駐車場には10台近く見られる。今日は日曜日なので多いのであろう、もう下って来ている人達もいる。天気は良好。カラマツ林の葉はほとんど落ちているが陽を受けて赤く輝いて美しい。
 笹原の平坦な道から始まり、緩やかな広葉樹林帯となり、気持の良いカラマツ林にと変わって行く。歩き易くノンビリとした道が続いている。シラビソの針葉樹林に変わってから急角度に登って行くようになる。
 歩き難く滑り易い大石と砂地のガレ道が一直線に登っている。足場が崩れ歩き難い。何人もの下って来ている人達と出合う。振り向けば樹林の間から、白く南アルプス・中央アルプスの山並が次第に大きくなっているのが見られた。樹林帯が切れて岩場にかかると、広大なパノラマ光景が眺められる。八ケ岳の岩峰が青空に仲良く立ち並んでいる。薄雲が広がっていて遠方は霞んでどんよりとしている。真っ白な北アルプスが北部方面を取り囲んでいる。
 足場の悪い急登を1時間ほど続けると、山頂に続く大石の積みあがっている岩場の上に出て来る。風が強くて冷たくて飛ばされそう。ヤッケを着込む。グルリと180度大岩の岩場を周り込んだ所に山頂ヒュッテがあった。山頂はさらに瓦礫の河原の中に標識があり、1等三角点があった。360度の大パノラマが展開されている。浅間山が近い、黒々としている。登山者が一人いたので写真を写して貰う。寒いのですぐ下山にかかった。
 樹林帯に入り込んで一先ずホッとする。明峰にふさわしい感じの良い山であった。

 山頂手前で八ケ岳(中央赤岳)を望む(13:01)         山頂は目前(13:02)                              山頂より北方向を眺める(13:21)
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浅間山 2524m 

  
登頂日  2011.11.28   天候  晴れ
  天狗温泉(6:30)−浅間山前掛山(10:30)−天狗温泉(12:50)

 最高点2568mと三角点のある2493.4mは立ち入り禁止になっている。その手前にある前掛山2524mまでが登山可能地点となっていた。
 前日は天狗温泉浅間山荘に泊まった。浅間の秘湯「日本一赤い温泉・単純鉄冷鉱泉」となっていて、鉄分の多い真っ赤なお湯であった。泊まり客は他に一夫婦のみの静かな山小屋である。冬は雪に埋まると自費で道路の除雪をするそうで、通年営業している。
 山荘の隣にある鳥居を潜ってから登山は始まる。広々とした車道の道が川沿いにダラダラと続いている。カラマツとアカマツの林の中は落ち葉に埋まっている。川の中の岩は鉱泉により赤く染まっていて、所々白く凍り付いていた。
 しばらくで橋に出合い車道はここまでのよう。一ノ鳥居があり、道は二手に分かれている。谷沿いの道をとる。シブキが白く凍っていて寒々としている。やがて前方に黒々とした大きな滝が見える。修行の場、不動の滝である。長い固い氷のツララに覆われていた。
 尾根に上がり込んだ所に二ノ鳥居があり、先ほどの道と合流している。大きなカラマツの木を割った薪が山と積まれていて、少しでも担ぎ上げるようにと札がある。まだこの上の方に人が住んでいるのであろう、各自一本ずつリュックにくくりつけてからボッカをする事になった。
 しばらく登ると樹林の間から煙が見られた。赤茶けた岩肌が見られ硫黄の臭いがきつい。この辺りが源泉なのであろう。その上に「火山館」と言う大きな山小屋があった。火山の観測の為なのであろう、年中常住しているそうである。暖かい薪ストーブの前で一人テレビを見ていた。小屋の周りには薪がうず高く積まれている。ここは休憩所のみの利用である。水場トイレあり。
 ここからは噴火口跡なのであろう広大な平原が広がっている。外輪壁に囲まれた「湯の平高原」となっていて、背の低いシラビソやカラマツや笹原で埋まっている。こんな高所でも湿地帯になっているのであろうか草花も豊富のようである。イワウチワのような葉っぱが一面に見られた。シーズンには花が満杯になるのであろう。
 この高原を抜けた所からいよいよ火山礫の登りになる。滑り易い火山カスの丸い小石を踏みながら、ユックリとジックリと登って行く。冷たい風が吹き降ろしてくる。ヤッケを着込む。
2ピッチで火口壁に上がり込んだ。瓦礫の広がる殺伐とした光景、避難壕が2つ見られた。風の通り道で北風が強い。火口縁を周り込んで少し登った所が前掛山頂上であった。外輪山が幾つも重なり見られ、浅間山山頂は対岸に見られた。僅かに煙が見える。小諸の町並と千曲川が見下ろされる。一人登山者が登って来ている。
 帰りも同じ道を下る。道が良いので下りは早い。この山は火山岩のゴロゴロとしている瓦礫ばかりの山とばかり思っていたが、高所まで樹林帯が広がり、水も豊富に流れていて草花も多いように思われる。何と言っても歩き易い道の為、緩やかな登りが最後まで続き疲れを感じる事がなかった。感じの良い山であった。そして登山中、噴火の兆候が無くて無事に登り終えた事にホッとしている。
 
      蛇堀川の右岸を登る(7:12)           カラマツの生えた笹原道を登る(7:58)        山小屋「火山館」の前に出る(8:36)         前掛山山頂に到着(10:30)

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