300名山紀行   男体山・女峰山・太郎山
  2011.10.30(日)〜11.1(火) 有志 8

太郎山 2367.5m
  2011.10.30(日) 天候  晴れ時々曇り
  裏男体林道(9:40)−太郎山(12:00)−林道(13:40)

 日光山系は那須火山帯に属し、形の良い山が幾つも立ち並んでいる。男神の男体山、女神の女峰山、子の太郎山、大真名子山、小真名子山と一家族をなし、そのいずれにも祠があると言う。今回はこれら家族の真ん中に陣取ってからそれぞれの山を目指した。
 裏男体林道は舗装された立派な道路であった。分岐から砂利道に入り5分程の所に登山口があった。砂防堰堤の広い砂地の上が駐車場である。ここからが太郎山への最短コースになっている。他に車は無し。今日は雨の予報であったが晴れ間も覗きそうな明るい曇空である。
 最初はシラビソ・コメツガなどの樹林帯の緩やかな登りであるが、やがて谷沿いの急な登りになる。シャクナゲが多い。砂地と大きな岩石の中の登りである。展望は良くなり、富士山が遠く雲の上に小さく見えて来る。一面ガレ落ちている「新薙」を横切ってからも足場の悪い登りが続いている。大木が根ごと崩れ落ち、逆さまになっている傍を這い登って行く。岩場もあり、ロープが何箇所にも垂れ下がっていた。初日は体調が勝れず息が切れる。
 急登が終わると、お花畑と呼ばれる火口原へ着く。下って来る単独者に出合う。ここは沼地の様な田圃のよう平坦地であり、水の無いササの立ち並んでいる原っぱである。お花畑に花が咲いていたとは思われ無い。その平原を横断してから僅かの登りで山頂であった。
 霧が立ち込め時雨となり、気温が低くて小雪と成り冷たく舞っている。寒くて、雨具を着る。林に囲まれた狭い山頂、三等三角点がある。展望は望めないため、すぐ様山頂を後にした。少し下るともう雪は止んでいたが、霧雨が降ったり止んだりとしていてすっきりとしない天気である。6〜7人ほどの若者達が登って来ていた。元の所に下り降りて来て、250山座目が終了した。
 車を「志津乗越」に回す。ここの道端のゲート前には10台近くの車が駐車していた。総てが男体山への登山者達であろう、表登山道は1025日に閉山したため皆裏登山道に向かって来ている。ボツボツと下って来ている人達もいる。そこから山道を5分程の所に立派な志津避難小屋があった。神社が所有する社務所となっている。ロッジ風の綺麗な山小屋で、8人だけの貸し切り状態では丁度都合良く、ここで連泊の予定とする。水場が無いためポリタンで持ち込んだ。そして今夜は早目の豪華な宴会をする事が出来た。後50座になった、区切りの山となった。

    登山途中男体山を眺める(11:27)        お花畑と言われる火口跡を行く(11:38)         山頂にて(12:00)         山頂よりの大名真子山(12:01)
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女峰山(にょほうざん) 2463.5m 
  2011.10.31(月) 天候  晴れ時々曇り
  志津小屋(6:05)−女峰山(9:45)−帝釈山−小屋(14:00)

 関東平野は雲海の中に沈んでいる。赤く色着いているカラマツ林を通して朝日が斜めに差し込んで来る。今真さに真っ赤な太陽が雲の下から立ち上がっている。朝早くの日の出の時は気持が良い。明るいカラマツ林の中、緩やかな林道を爽やかに登って行く。今日も天気は良い。1時間程で登山口の「馬立」に到着した。
 一旦急坂を下り降り、大きな沢へ降り立つ。大石がゴロゴロとしている荒れた沢で、水の流れは全く無い。砂地の山塊が多い為水は地の底を流れている。どの沢にも流れは無かった。そして何処も大きく崩壊している。僅かに溜まり水があり、久しぶりに顔を洗った。
 ここから荒沢を左手に見て、ササ原の中を緩やかな登って行く。コメツガとシラビソとササ原の美しい森林地帯となっている。真に気持の良い歩き易い道であり、順調に登って行く。
 しばらく登ると水場に出合う。湧き水がトートーと豊富に流れている。日光山系でも貴重な場所なのであろう、ホースで引き水が下の方まで敷かれていた。そこから急な坂を10分ほど一登りすると、高台の上の広場に立派な唐沢避難小屋があった。2階からも出入り出来るよう、背の高い建物である。中で少し休憩をとる。
 さらに砂地と瓦礫が積みあがっているガレ場を這い登る。風が雨粒を吹き上げて来て冷たさを感じ、ヤッケを着込む。やがて祠と鳥居のある山頂に到着する。頂上はさらに上の方で石を積み上げている狭い尖った先である。北風が絶えず吹き上げて来て寒い。ガスが舞い展望は得られない。三角点はここには無くて、鳥居より下の方で離れた場所にあり見当たらなかった。ユックリとする事も出来きず、すぐさま縦走に向かう。
 山頂からはヤセ尾根が続いている。右も左もガレているヤセ尾根で、岩場を慎重に下る。絶えず強い北風が吹き上げている。帝釈山へは少しの登りで到着した。少し手前の風の無い樹林の中で休憩する。
 帝釈山は広く開けた所で風辺りが強い。ここからは稜線を外れ富士見峠への下りの道になっている。シラビソの樹林帯の中を一直線に下っている。水の流れる場所なのであろう深くえぐれた狭い溝の中が道になっている。
 富士見峠は林道の終点であり、広々とした原っぱである。富士山は樹林に隠れているのか見えなかった。もう廃道に近い大石のゴロゴロしている幅広い林道を展望を楽しみながら下って行く。いたる所で道は崩れていた。女峰山から帝釈山にかけての稜線が雲が切れて来てくっきりと見上げられるような場所がある。しばらく下ると工事中の標識があり、工事用の車が数台あった。砂防工事をするそうで、この林道は工事用の道なのであろう。

   山頂手前の難所を必死に登る(9:09)                  (9:14)                      頂上目前(9:38)                 山頂到着(9:43)
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男体山 2577.6m 
   2011.11.1() 天候 快晴
     志津小屋(6:00)−男体山(8:25~8:50)−小屋(10:15)

 大抵の山の開山は伝説めいた話が多いが、この山にはしっかりとした記録が残っているそうである。782年勝道上人によって開かれたと僧空海が本に書いていると言う由緒ある山である。
 表登山道が本来の参拝道であるが、閉山している為最短コースの裏参道から向かう。連泊している小屋の前が登山道である。すぐ傍に鳥居と社が建っていた。二荒山(ふたあらやま)神社となっていて大国主命が祭神、この神社の社務所に2泊させて貰った事になる。
 大木の立つ樹林帯の中の、深い溝の中が登山道になっている。すぐに2合目の標識があり、荒れた道が登っている。大きな木の根っこが剥き出しになっていたり、岩がはみ出している場所もある。その都度右に左に歩き易い道を選んで自由に登って行く。大きなガレの傍を通る所もある。展望が良くなり、日光白根山が目の前に大きく堂々と聳えている。今日も雲一つ無い快晴、風も無くてひんやりとしていて気持が良い。
 7合目8合目と続き、9合目で山頂に上がり込む。細長い台地状の頂上で、中間地点が山頂のようである。太い大きな剣が岩の上に突っ立っている。その先に社務所があり奥宮があり、二荒神の大きな像があった。社務所は何故か荒れている。天気良くて眺めが良い。関東平野の中、霞んでいるのは筑波山である。裾野に大きな中禅寺湖が見下ろされ、いろは坂がチラチラと見える。風も無くてユックリと過ごす事が出来た。
 同じ道を下って行く。さすが百名山、平日でも幾組みかが登って来ている。若者から年配の者まで、10人近くもいた。昼前には小屋へ帰り着いた。
3日間共天気が良くて、ノンビリと相当にゆとりのある山行であった。気持の良い場所であった。水場が無いのが難点。

    登山途中に見る太郎山(7:24)       登山途中に見る大真名子山と女峰山(8:00)      山頂より見る中禅寺湖(8:26)          山頂より見る日光白根山(8:29)
    左後方に双耳峰の燧ケ岳が見える
 ユックリと帰阪に向かう。来る時は沼田ICからやって来たので、帰りは中禅寺湖を回り伊勢崎ICからとする。今が行楽シーズンまっただ中、華厳の滝や日光東照宮は大変な混雑であった。いろは坂は紅葉が見頃、車が数珠繋ぎに並んでいた。日帰りツアーNO.1の場所だそうで、関東から近いからなのであろう、どこも行楽客で混雑していた。
 
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