300名山紀行  道後山、吾妻山

  2011.9.18(日)  天候 曇り  有志 3名

道後山 1271m


 月ケ丘スキー場(10:10)−道後山(11:10)−岩樋山―スキー場(12:10)

 お互い斜めに位置する関係にある鳥取県と広島県が僅かに接する場所がある。中国山脈脊梁のど真ん中、その県境にこの山はある。島根県・岡山県にも近い。山深い所にあるが、中国自動車道からは近くて比較的容易に入山できる。中国山地では高原状のなだらかな山容が多く、明治の頃は牛馬の放牧が盛んに行われたそうで、ここには放牧地を分ける石積みの牧柵が今でも残っているそう。
 登山口のある道後山スキー場の駐車場には車が4台ほど駐車していた。立派な大きなリフトのあるスキー場があるが、山の家や山荘は今では使われていないのかどれも壊れかけていた。登山口で標高1075m、ほとんど登りのない山である。台風の影響で重苦しい黒雲が垂れ込めていて、濃い霧が立ち込め展望は全く無い。風が吹き抜けていて割りと涼しい。
 道標に従って登山道に入る。なだらかな平坦な道、雑木林に囲まれた広い道が続いている。黄色の花はキバナアキギリ、紫のアキチョウジ、大きな花はマツムシソウ、薄暗い雑木林の中で沢山の花々が彩りを添えている。気持の良い沢筋の道である。
 やがて階段状の登りになり、又平坦地になる。立派なイチイノ木がある。雑木林の中で一段と貫禄を示している太い樹である。何故かイチイノ樹が多い。ジイソブ(別名ツルニンジン)の花が咲いている。二人連れの下山者が見入っていた。タワワに青く光る実を着けているのはサワフタギも多い。岩樋山(いわひやま)を巻きながら鞍部に出てくると、笹原が広がっている。霧に覆われ視界は無いが、広々とした牧場が眼下に見られるそうである。
 笹原の中のこんもりとした山に向かう。赤い花のハクサンフウロ・ナデシコ・ゲンノショウコ等が見られる。山道を一登りで道後山山頂であった。草原状の広場の一部が山頂で三角点があった。人影は無い。
 同じ道を下り、岩樋山へ登り返す。少し急な登りで山頂に達した。道後山は1269mで、こちらの山は1271mの最高峰であるが三角点は無い。いずれの山頂も展望は良さそうな所であるが、重苦しい黒雲は晴れず展望は無かった。幾人もの人達が登って来ているのに出合う。若者が多い。
 往復2時間程の山であったが、草花の種類の多い山である。「ようこそ道後山へ」として入り口に花の名前が掲げられていた。四季を通じて種類と多さが自慢の山のようである。一度登ればその良さが実感できる魅力的な山であると案内には出ていたが、全くその通りの山であった。時期を変えて又来て見たい山である。牧草地として大事に手入されて来た山なのであろう、綺麗な感じの良い山であった。駐車場には車が20台近くには増えていた。

          マツムシソウ                  ツルニンジン                   サラシナショウマ                   キバナアキギリ
  *******************

吾 妻 山 1239m 

 ホテル(13:40)−吾妻山(14:20)−ホテル(15:00)

 道後山のすぐ隣にある山、こちらは島根県と広島県の県堺になる。一般的に比婆山と呼ばれている所で、比婆国定公園になっている。休暇村吾妻山ホテル前に車を置く。宿泊客なのであろう、沢山の車が駐車していた。
 ホテルの裏側に道標があり、登山は始まる。驚いた事に登山道が無い。ホテルの裏側にはこんもりとした山があり、その裾野は綺麗に刈り込まれた芝生が広がっている。広々としたこの丘陵には平成7年まで牛が飼われていたそうで、今でも芝刈り機で丁寧に手入がされている。ゴルフ場を思わせるような綺麗な所。真ん中に池がある。明治の頃まで山砂鉄が取られていたそうで、水を流す為の人工の大きな池である。ハスが赤い花を咲かせていた。草原にはマツムシソウが乱舞している。何ともノンビリとしたハイクやピクニックには最適な所。
 草原を駆け上がり抜けた所にやっと登山道を見つけた。雑木林からツツジ・イヌツゲの潅木帯になり緩やかな登りになっている。歩き易い道。登りが笹原の道になるともう山頂であった。ホテルの赤い屋根が見下ろせる。家族グループが昼の店を広げていた。雲が切れて来て、展望が広がっている。どこも牧草地のような広々とした高原大地が広がっていた。
 下山は南向きに尾根を下る。背の低い笹原の道、気持の良い歩き易い道であった。グルリとラウンドしてホテル前に下りて来る。1時間20分の山であった。短い時間の最高記録のように思う。四季を通じ草花の多い山だそうである。綺麗な公園のような山であった。
  *************************